みょうがぼち(茗荷餅)とは、岐阜県美濃地方中西部から西部にかけて初夏に見られる、郷土菓子の一つ。

小麦粉を主とする生地の中に空豆の餡が入り、ミョウガの葉で包んだ和菓子である。

「ぼち」とは「もち(餅)」の転訛で、現地で団子を意味する方言である。

「ぼち(もち)」の名称ながらもち米を主原料とする餅菓子ではない。

製法

小麦粉を主として米粉(上新粉)を混ぜた粉に熱湯を加えて練り、生地の皮を作る。

乾燥した空豆を水で戻したのちに茹でて皮を除き、それに砂糖と少量の食塩を加えて練って餡を作る。

生地に餡を包み、さらにミョウガの葉で巻き、蒸して作られる。

地域・時期

主としては北方町など本巣郡・旧本巣郡の地区で見られる菓子であるが、そのほかに岐阜市内・大垣市内等でも見られる。

元来は農家の各家庭で田植え・小麦や大麦の刈入れ(麦秋)の時期である農繁期の初夏に、農作業の合間に作られて食べられた菓子である。

その時期に小麦と空豆が収穫され、なおかつミョウガの葉が入手しやすいことから作られたもので、本来は旬の食材・具材による家庭の菓子であった。

現在、岐阜県美濃地方中西部・西部では、各家庭で作られるほか、和菓子店で製造・販売され、スーパーマーケットや農業協同組合の店舗でも市販されている。

市販のものも、ミョウガの葉が入手しやすい時期が初夏に限られるため、家庭で製されるものと同様、製造・販売は5月から6月の季節限定である。

脚注

関連項目

  • みょうが饅頭(ミョウガの葉を用いた熊本県の郷土菓子)

外部リンク

  • みょうがぼち - 岐阜県農政部農産物流通課

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