ニオイドクツルタケ(臭毒鶴茸、学名: Amanita oberwinkleriana)は、テングタケ科テングタケ属の属する中型から大型のキノコ(菌類)。姿はドクツルタケによく似ており、致命的な猛毒菌として知られる。

菌根菌。夏から秋にかけて、針葉樹・広葉樹林の地上に発生する。里山の雑木林にも普通に見られる。薄暗い林内でも白いためよく映える。

子実体は傘と柄からなり、全体に白色である。傘裏のヒダも白色で、蜜に配列する。柄の頂部には膜質のツバがあり、表面に白色濃淡のだんだらのささくれが目立つ。柄の基部には袋状の白いツボがあり、肉や柄の基部には塩素のような薬品臭がするのが特徴である。肉は水酸カリウム溶液(KOH水溶液)で変色しない。

摂取直後に嘔吐や下痢などコレラ様の胃腸系中毒症状が現れるが、いったんは回復し(偽回復期)、数日後に胃腸の出血や肝細胞が破壊されて死に至る。

似ているキノコ

よく似ているシロタマゴテングタケ(Amanita verna)は、本種同様に猛毒菌として知られ、キノコはやや小型で柄の表面にささくれ模様が見られない。

形態的に非常によく似ているドクツルタケ(Amanita virosa)は亜高山帯の針葉樹林に生え、低い標高地のものは別種とされる。KOH水溶液で変色する。またアケボノドクツルタケ(Amanita atkinsoniana)も全体に白いが、傘中央部が赤みを帯びる。こちらもKOH水溶液で変色する。

脚注

参考文献

  • 秋山弘之『知りたい会いたい 色と形ですぐわかる 身近なキノコ図鑑』家の光協会、2024年9月20日。ISBN 978-4-259-56812-2。 

ドクツルタケ Amanita virosa テングタケ科 Amanitaceae テングタケ属 三河の植物観察野草

ドクツルタケー01 ー杜の都のキノコ

ニオイドクツルタケ(Amanita oberwinklerana)

ドクツルタケ(Amanita virosa)

東京きのこ同好会 : ニオイドクツルタケ