モビリオ スパイク(MOBILIO SPIKE)は、本田技研工業がかつて生産、販売していたトールワゴン型の小型乗用車である。
概要
初代モビリオの派生車種として、シャシおよびボディは初代フィットをベースとしたグローバルスモールプラットフォームを使用しており、趣味を楽しむための車というコンセプトに沿って、3列目シートを廃した5人乗りのトールワゴンである。開発コンセプトは「ガレージボックス」。
ファミリーのユーザーを重視したモビリオに対し、モビリオスパイクは趣味の道具であることを重視したため、リアクオーターウインドウがあった箇所に小物入れを用意したり、テールランプをリアバンパー内に埋め込みリヤゲート幅をより広げる(後期型を除く)など、独自の仕様および装備が設定されている。乗車定員は5人であるが、モビリオより全長は55mm長い。後席のドアは、モビリオと同様の左右両側スライドドアであり、スライドドアの窓は、パワーウィンドウではなく留め具で開閉する窓を採用している。
内装は、前席がモビリオとは異なりベンチシートとなっている。後席もフィットと同様の折り畳み機構を備えており、燃料タンクを前席の下に配置しているため、前に倒すと荷物室と一体となり、段差のない広いスペースとなる。
搭載エンジンはL15A型の1種類のみである。変速機はCVTのみであるが、グレードによっては手動操作で7段階に変速比を変えられる仕組みを備える。
リヤエンブレムは「Spike」ロゴのみが配される。
搭載エンジン
- L15A型
- エンジン種類:水冷直列4気筒横置き
- 弁機構:SOHCチェーン駆動 吸気2 排気2 VTEC
- 最高出力:110PS/5,800rpm
- 最大トルク:14.6kgf·m/4,800rpm
- 総排気量:1,496cc
- 内径×行程:73.0mm×89.4mm
- 圧縮比:10.4
- 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
- 使用燃料種類:無鉛レギュラーガソリン
- 燃料タンク容量:42L
GK1/2型(2002年-2008年)
- 2002年9月18日 - 発表される(発売は翌9月19日)。
- グレードは、「W」「A」「Y」の3グレード体制(「W」と「A」はメーカーオプションでLパッケージが選択可能)。
- トランスミッションはCVTのみ(「W」と「A」タイプは7スピードモード付き)。
- ボディカラーは、新色である「ガラパゴスグリーン・メタリック」と「スカイブルー」の2色を含めた全10色がラインナップされる(ただし「Y」タイプは、タフタホワイトとサテンシルバーメタリックの2色のみとなる)。
- 型式はLA-GK1(FF)/LA-GK2(4WD)。
- 2003年5月22日 - 「W」および「A」タイプにビレットタイプの専用フロントグリルや、アルミホイール、本革巻ステアリングホイール などを装備した「Lパッケージ2」が追加される。
- 2004年2月6日 - マイナーチェンジが行われる(発売は2月12日)。
- 大型メッキグリルとリアバンパーガーニッシュを採用するなどの変更が行われると共に、「平成17年基準排出ガス50%低減レベル(☆☆☆)」認定を取得した。
- 型式はCBA-GK1/GK2に変更。
- 2005年
- 9月1日 -「A」タイプに、ディスチャージヘッドランプやプライバシーガラス、マイクロアンテナなどを装備した特別仕様車「スタイリッシュエディション」が追加される。車体色は専用色を含む7色が設定される。
- 12月1日 - マイナーチェンジ(発売は翌12月2日)。
- フロントバンパー、ヘッドライトやリアコンビネーションランプなどのデザインを一新し、エクステリアデザインが大幅に変更された。インテリアではシート表皮、ステアリングホイール、メーターなどのデザインが変更されたほか、インテリアカラーにベージュが追加された。また、フロントシートはカップホルダー&ユーティリティボックス内蔵のものに変更された。
- ボディカラーは新色4色を含む9色となったほか、グレード体系を「AU」と「W」の2グレードに再編し、それぞれに7スピードモードを採用した「Sパッケージ(パドルシフト付本革巻きステアリングホイール、自発光メーター、カラードサイドシルガーニッシュ、テールゲートスポイラーを専用装備)」を設定。
- 環境性能も向上され、「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(★★★★)」認定を取得すると共に、「平成22年度燃費基準 5%」を達成。
- 型式はDBA-GK1/GK2に変更。
- 2006年7月20日 - 「W」と「AU」タイプに、特別仕様車「アクティブエディション」・「HDDナビ アクティブエディション」が追加される。「アクティブエディション」全車にプレイングボード付カーゴと撥水シート表皮&撥水ドアライニング表皮が追加装備され、「AU」にはイモビライザーも装備し、「W」」にはキーレスエントリー1体型キーを1本追加した。「HDDナビ アクティブエディション」には「アクティブエディション」の装備に、Honda HDDインターナビシステム(リアカメラ付)を追加した。
- 2007年12月20日 - 価格設定を抑えた「A」タイプが追加される。同時に「AU」と「W」タイプをベースにした特別仕様車「HID エディション」および「HDDナビ HID エディション」が追加される。前者はディスチャージヘッドライトや、撥水シート表皮&撥水ドアライニング表皮、プレイングボード付カーゴを装備すると共に、4WD車には熱線入りフロントウィンドウや、ヒーテッド・ドアミラー、大容量バッテリーがセットになっている「寒冷地パッケージ」が装備される。後者は「HID エディション」の装備に加え、Honda HDDインターナビシステム(リアカメラ付)が追加装備される。
- 2008年
- 4月 - 生産終了。以降は在庫対応分のみの販売となる。
- 5月29日 - モビリオの後継車フリードが発表される(発売は翌5月30日)。フリードにも2列シート仕様の「FLEX」が設定されていた(2011年のマイナーチェンジで廃止)。当初はモビリオスパイクも併売されていたが、6月25日にカタログラインナップからなくなり、販売も終了した。モビリオと合算した新車登録台数の累計は30万4195台。
- 2010年7月8日(補足)- モビリオスパイク直系の後継車フリードスパイクが発表される(発売は翌7月9日)。
車名の由来
- Mobilio:Mobility(移動体)Mobile(移動しやすい)からの造語。
- Spike:英語で「釘など先の尖ったもの」。「何事にもこだわりを忘れずに尖っていたい」という思いを込めて命名された。
取扱い販売店
- Honda Cars店
- 販売網統合前よりホンダディーラー全店(プリモ店、クリオ店、ベルノ店)で購入が可能だった。
脚注
注釈
出典
関連項目
- 本田技研工業
- ホンダ・フィット - ベース車
- ホンダ・モビリオ - 姉妹車
- ホンダ・フリード - モビリオの後継車
- ホンダ・フリードスパイク - 後継車
- ホンダ・S-MX - 類似コンセプト車
- ホンダ・エアウェイブ
- グローバルスモールプラットフォーム
外部リンク
- Honda | 今まで販売したクルマ | モビリオ スパイク
- Honda | 四輪製品アーカイブ「モビリオ」



